高杉晋作の見た上海

高杉晋作

維新の立役者高杉晋作が、貿易船『千歳丸』に乗船して上海を訪れたのは一八六二年六月のことである。ちょうど、そのころ太平軍と清・英仏軍による熾烈な戦いが上海周辺で繰り広げられていた。しかし、高杉がそこで見たものは太平軍との戦乱ばかりではなかったようだ。
「支那人、外国人に使役されている、憐れ。わが国もついにはこうなるのだろうか、そうならぬことを祈るばかり」。太平天国の乱以上に、西洋人に虐げられている中国人の姿に衝撃を受けたことが、高杉の当時の日記には記されている。その後、帰国した高杉は騎兵隊を創設し、文字通り命をかけて維新回天の事業に奔走したわけであるが、高杉をそうした決死の行動に駆り立てたのはおそらくこの上海での体験だったのだろう。

 

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