盧溝橋で最初に発砲したのは誰?

盧溝橋事件を引き起こした最初の発砲の犯人は誰か。これについては現在、中国共産党とその背後にいたコミンテルンであるというのがほぼ確定的とされているが、以前は支那事変史における最大の謎とされていた。以下、これまでに出された犯人説を整理してみた。

1.日本の謀略説
行きづまった華北工作を武力で解決しようとした日本が引き起こしたとする説。柳条湖 事件の前例もあるため、一般にはこの説が信じられていたが、そのわりに決定的な証拠はない。
2.偶発説
日本軍の夜間演習を眼前にした第二九軍の兵士が恐怖にかられて発砲したのではないか とする説。だが、これも推量の域を出ない。
3.旧軍閥の策謀説 蒋介石の全国統一の陰で、実権を奪われた西北軍閥の馮玉祥らが華北における地位回復 をめざして糸を引いていたとする説。これも、裏付けとなるたしかな証拠はない。
4.中国共産党陰謀説
国共合作を決定的なものとするため、中国共産党が引き起こしたとする説。戦後、人民解放軍兵士の教育用テキストに当時の中国共産党北方局第一書記劉少奇の指令によるものと断定する記述があったとされる。もっとも、仮にそうだったとしてもそれだけでは事実と断定する根拠にはならないわけだが…。しかし、長征後、一時壊滅寸前にまで陥っていた中国共産党の状況をみれば、日中開戦にもっとも強い動機を持っていたのは、日本軍でも国民党でもなく、共産党であったことはあきらかである。

 

 

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